上場株式の相続税評価の実務

上場株式について相続税評価をする際、各証券取引所の終値や配当落ち・権利落ちの有無を確認する必要があります。
ここでは、実際にどのような方法で確認すれば良いかをご説明します。

@ 上場されている証券取引所の確認
 証券取引所は、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡にあり、評価する上場株式がどの証券取引所に上場されているか
確認をします。
 多くの銘柄は東京証券取引所に上場されているため、同取引所のホームページの「東証上場会社情報サービス」で
検索することにより、上場されている全ての証券取引所を調べることができます。
 また、「ヤフーファイナンスの上場企業検索」でも調べることができます。

※上場株式の相続税評価に当たって、以前は証券取引所を自由に選択することは認められていませんでしたが、平成
15年6月の改正により、自由に選択することが可能となっています。ただし、課税当局職員が執筆している書籍によれ
ば、課税時期の最終価格がある証券取引所があるにも関わらず、課税時期の最終価格がない証券取引所を選択することはできないものとされています。

A 課税時期の最終価格の確認
 課税時期の最終価格については、「ヤフーファイナンスの株価時系列データ」で調べることができます。
 証券取引所を指定して検索する際は、銘柄コードの後ろに「.(ドット)取引所の頭文字」を加えます。例えば福岡
の場合、「○○○○.f」と入力します。

B 最終価格の月平均額の確認
 最終価格の月平均額については、それぞれ「東京証券取引所の月間相場表」「大阪証券取引所の月間相場表
名古屋証券取引所の月間相場表」「札幌証券取引所の銘柄別売買高順位表」「福岡証券取引所の月間相場表」で
確認することができます。
 なお、終値平均の金額は小数点以下第2位まで記載されていますが、上場株式の評価明細書において、円未満の端数
は切り捨てる旨の記載がありますので、ご注意ください。

C 配当落ちの確認
 財産評価基本通達170,171に該当する場合、課税時期の最終価格について配当落ちの調整が必要になります。
 配当の有無については、評価対象会社のホームページ等で課税時期前後の決算短信を確認することによりチェック
できます。
 また、配当落ちの日については、各証券取引所の日報で確認することができます(東京大阪名古屋は、直近の
短期間のみ掲載されていますが、札幌福岡はかなり古いものまで掲載されていますので、少なくとも配当落ちの日
がいつなのかは確認することができます。配当落ちの日を自分で基準日から遡って数えても良いのですが、数え間違
えてはいけませんので、日報で確認した方が確実です。)。
 なお、配当落ちの場合はDと異なり、最終価格の月平均額の調整はありません。

D 権利落ちの確認
 財産評価基本通達170〜172に該当する場合、課税時期の最終価格又は最終価格の月平均額について、権利落ちの
調整が必要になります。
 権利落ちがあった場合は、Bの月間相場表等において、権利落ちの前と後で区分して記載されますので、そちらで
確認することができます。また、東京証券取引所に上場されている場合は、「統計月報の新株落・権利落等一覧」で
権利落ち日等を確認することができます。

E その他の留意点
 配当落ちや権利落ちがある場合、それに伴って配当期待権等を財産として計上しなければならないケースがある
ため、注意が必要です。
 また、課税時期の属する月以前3か月間の間に減資があった場合、権利落ちに準じた方法で調整計算が必要になる
ケースがあるため、こちらも評価対象会社の決算短信等で確認が必要です。


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丹生剛太税理士事務所

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